フィリピンで何か売るなら何がいいか、ずっと考えていました。 そこで出てきたのが、白玉を使ったスイーツです。

自分の中では、けっこう良いアイデアだと思っていました。

  • 日本らしさがあって、他とかぶらない
  • 材料がシンプルなので、原価が読みやすい
  • 大きな設備がいらない。小さく始められる
  • 暑い国なので、冷たいデザートは需要がありそう

「人と違うことをする」という自分の好みにも合っていました。 正直、いけると思っていました。

持っていったら、前提を崩された

このアイデアを父に話しました。返ってきたのは、こういう指摘です。

フィリピンでは、デザートよりご飯系のほうが得策だ。

最初は、正直あまり納得していませんでした。 自分の中では良いアイデアだったので。

でも考えてみると、自分が並べた理由は全部「作る側の都合」でした。 原価が読みやすい、設備がいらない、かぶらない。 どれも自分にとって都合がいいという話で、 「お客さんがそれを求めているか」は一つも入っていなかったんです。

デザートは、お腹が空いている人の選択肢に入りません。 「あったら嬉しいもの」であって「ないと困るもの」ではない。 毎日買う理由が弱い。

一方でご飯ものは、全員が毎日必ず食べます。 需要を自分で作り出す必要がない。すでにそこにある。

思いつきと、検証は別物だった

ここで学んだのは、たぶんこういうことです。

自分は思いついた時点で、かなり熱くなります。 そして熱くなると、そのアイデアを支持する理由ばかりを集めてしまう。 「原価が読みやすい」も「かぶらない」も、後から探してきた理由でした。 先に結論があって、あとから根拠を集めていた。

これに自分一人で気づくのは、たぶん無理です。 だから人に話すしかない。 自分と違う前提を持っている人に見せて、崩してもらう。 それが一番早いと思いました。

今は、もっと情報を集めるために、 現地の事情に詳しい人にも話を聞きにいくところです。

捨てたわけではない

白玉のアイデアそのものを、完全に捨てたつもりはありません。 順番を変えただけだと思っています。

まずご飯もので、人が来る状態と、回る仕組みをつくる。 そこにお客さんがついてから、デザートを足す。 そういう順番なら、白玉にもちゃんと出番があります。

自分がいつもやっているのは「小さく始めて、実績を見てから広げる」という進め方です。 今回もそれに従うなら、最初に置くべきは 一番確実に売れるもので、面白いものは後です。


アイデアを否定されるのは、その瞬間はけっこう嫌でした。 でも、売れないものを作ってから気づくよりは、はるかに安い授業料だったと思います。

どうなったかは、また書きます。